strings_classicのブログ

弦楽器が好きなちょっとオタクな私のブログです

楽器調整の重要性

こんにちはぁ~

 

今日は天気が悪いので、嫌ですね・・・一雨ごとに冬が近づいてくるそうです。

冬は乾燥する季節です。よくちびっこ生徒さんの分数楽器が湿気でおかしくなることがあります。小さいから猶更湿気や寒暖の影響を受けやすいんでしょうね。ヴァイオリンは木製ですので、やはり、気温や湿気の変化には特に気づかいが必要です。冬になってくると、物凄く寒いお外から、加湿器を使って物凄く暖かくしている部屋に入ると、気温差と湿度差でメガネが凄く曇りますでしょ?それが楽器にも起こります。

 

メガネならいいですけど、これが楽器なら大変です。すぐにはケースから出さず、すこし置いておいて、部屋の温度に慣らしてから出すことをおすすめします。

 

さて、オタク クイズのお時間がやってまいりました。

 

ヴァイオリンの板の接着は何で行っているのでしょうか?

1)釘を使わず、日本伝統のはめ込み式で作っている。

2)今は協力ボンドで作っている。

3)ごはんを固めて糊の代わりにつかっている。

4)膠(にかわ)という昔からある糊を使っている。

 

おーっと4択になってしまいました。

 

答えはぁ~? どろどろどろどろ(ドラムロールの音)

4番の膠です。簡単すぎましたね・・・ごめんなさい。

 

膠の原料はコラーゲンだそうですよ。煮皮からきているという話もありますが、基本は動物の皮を煮込んでつくるそうです。牛らしいですけど。固まっているときは結構きれいな色で、べっこう飴みたいです。これです。

 

 

父のお友達のお話しですが、夏の暑い日に車の中に楽器を置いたままにしてて、あとで見たらヴァイオリンがバラバラに壊れていたそうですよ。膠は温度で柔らかくなります。時々ちびっこのバイオリンが変な音がするなって思ったら、裏板と側板のあたりがはがれていて、びびってなっている場合があります。こういう時はすぐに楽器屋さんに持ち込まないとですね。自分でやるなら、膠を湯煎して、どろどろになったところで、油絵具用のナイフで隙間に入れていくと簡単に直せます。隙間がない場合は、上から三角形に塗るだけでも十分ですよ。表板や裏板を外すのは、時間もかかるし結構高くなるので、応急的な修理としてやるにしても、膠でやらないとダメなんです。また、替えの楽器がないと困っちゃいますしね。絶対接着剤で直したらだめです。どんなに古くても直して使い続けることができるのは、膠を使っているからなんですね。

 

ちびっこヴァイオリンは、いろんなことが起こりやすくて楽しいです。勉強になります。アゴあてを止める金具は、結構緩みやすいので、やはりへんな音になったりします。以前緩んでとれてしまったので、ご家族が締め付けて直そうとして、どんどん締めて表板をすこし割ってしまったことがありました。ひえーって感じですね。

 

このネジは、上としたで逆に締めるようになっていますのでご注意ください。

 

アゴあては、表板側にコルクが緩衝材としてついていますが、これが軟らかいので、締め付け具合がよくわからないかもしれません。要はガタつかなければOKです。コルクがボロボロになっていたら、交換しましょう。あと、テールピースにアゴあてがつかないように取付ましょう。響かない原因として、そういうこともあります。

 

発表会のお手伝いで、ステージ脇で調弦やチェックをしてると、いろいろ問題がわかるので面白いです。なんかおかしいなと感じたら、買った楽器屋さんに持ち込んで調整してもらえるといいですよね。お金とられても数千円でしょう。大抵の小さなトラブルなら無料です。大抵のトラブルは、バイオリン本体より、付属品のアウトフィットのほうにおこるようです。たとえば、使い込んでいくと、ペグが摩耗して、ペグ穴が大きくなったり、ペグが摩耗しすぎて細くなってしまうことがあります。ペグ穴のほうは、接木して穴をあけなおすので、結構大変です。ペグは、4本交換で一万円超えでしょう。ペグ穴接木となると、見積もり取らないとです・・・

 

あと駒ですが、特にE線(一番高い弦)は金属の細い弦なので、駒に食い込んで、どんどん駒が削れてしまうことが見受けられます。現に小さいチューブのようなものがついている場合は、駒の上にそれがくるように張ります。また、駒に薄茶のテープのようなものが貼っている場合は、チューブは弦自体からはずします。食い込み防止の皮の上にチューブだと響きが悪くなりますからです。

 

駒の交換は職人さんでないと難しいです。ナイフで、表板に密着するように削る必要があるからです。表板はカーブしています。駒がずれているちびっこ多いのですが、f孔の途中にある、fの横棒のような刻みが駒の中心になるように置きましょう。あと、調弦すると駒がどんどんネック側に倒れてきますから、横からみて表板に対して直角になるように置きます。これを放置すると、駒が曲がってきますのでご注意くださいね。 

 

まぁ、調整が大事というお話です。