フラフープ回転運動とヴァイオリンの関係性について
「ねねね、見たぁ?」
なんだろ、私の数少ない友達の一人がニコニコしながらやってきた。
彼女は音高時代からの友達だ。私も変わってるけど、もっと変わってると思う。
ピアノの腕は凄い。ドイツ留学もしてたし、将来は私より有望だよ。顔もいい。
「なに?面白いの?」
まぁ、こういう切り出しをするときは大抵いい話だから安心して聴ける。
「〇〇もやれよなぁ~」私の下の名前呼び捨てだ。まぁそんなものだよね。
人前で呼ばれるのはすこし恥ずかしい名前なのだ・・・父が命名した名前は完全にヨーロッパ人の名前だ。顔は完全にモンゴロイドなのだが。
「一体、なんのことなの???」
「これだよこれ!」
彼女がうれしそうにスマホを見せてくれたのがこれ。
「ねーねー、〇〇もやってよ~」
嬉しそうだ。
「できないよ~」
こんなのできるわけない。まずフラフープやったことないから。
「なんでだよ~ヒラリーハーン好きなんでしょう・・・」
しばらくはこのネタでいじられるだろうなぁ。
「じゃ、期待してるからぁ~」
彼女は練習室棟に消えていった。
喜々として走りがちに去る友達の背中を見つめながら、フラフープってどこで変えるのか検索している自分に気づいた。門下生の忘年会でやったら受けるだろうなぁ・・・